脱走劇


2005年7月25日。それは起こった。
■やんちゃにも程がある■

夜中に騒がしい物音で目が覚めた。
近所の野良猫とケンカしたヒナが網戸を破って脱走。
何を思ったか、内弁慶のうちの可愛い子は、
怒りながら追いかけて庭から裏の畑に飛び降りてしまった!
外出た事ないのに…
この時点で既に信じられない。

網戸付近には血溜り。もう誰の血だか分からない。
ヒナの血じゃ無い事を祈るネコバカ。
慌てふためくネコバカ。
スリッパで寝巻きのまま畑に出るネコバカ。私と母。


真っ暗な畑には3匹の猫のシルエットが見えた。
もう行ってしまいそうな3つの影。
かぐや姫が月に連れてかれる!この時点で思考がやばいwもう悪夢としか思えない。
頭が勝手にすごい速さで回転して一瞬の間にいろんな事を考えた。
首輪には電話番号書いてあるし、”迷い猫探しています”と印刷して張り紙貼って、そうだ、
獣医さんの所にも貼ってもらって、保健所を回り、TVで見た猫の探偵も頼もう、おまじないもしよう。あぁ神様。

どうしたって絶対捕まえられない。気が動転しているヒナは逃げる。
そう思ったけどもう呼ぶしか無かった。

「ヒナ〜ヒナちゃん〜ご飯する?」
叫びたい所を必死に我慢して、優しく、我ながら超猫なで声で「ご飯する?」
そうして闇の中を少しずつ近づくと、そこには何と!ヒナが一匹ポツーンと立っていた。
多分、野良2匹は人間の声に逃げて、ヒナは「ご飯」に条件反射のごとく反応して、
訳が分からないまま立ってたのだと思う。
少し手を伸ばすと身をよじる。何度目かのトライで首輪に手が掛かる!!
母に叫び毛布を持ってきてもらう。この時点では体を触れなくて怪我の確認など出来ず、
シャーシャー言う般若ヒナを取りあえず上から毛布で捕まえる。
気が落ち着くまで何時間か待って、家に帰還。

夜が明ける。

風呂場でドロドロのヒナを確認。無傷だ。
やっと一安心。よくよく確認すると母の手の甲に立派な傷が。あの血は人間のだったのね・・
どうやらヒナが脱走する瞬間、後ろ脚を捕まえた手を蹴られたらしい。

■誰が悪い■

確かによくうちの周りに野良は来ていたが、まさかあの硬い網戸を破るとは思わなかった。
第一、外の猫はちょこんと可愛く座っているだけで
ヒナが家の中で「ふんーッふんーッ」と暴れるだけの事だったのだ。
完全なる独り相撲。


■その後■

さて、その後のお嬢はと言えば、暫くの間以前にも増して鼻息が荒かった。
しかし今は開放的なお姿で夏を満喫している。

その後、台所や家の周りに木酢液、蜜柑、ニンニク、酢、ラベンダーを撒きまくる。
効果の程は謎。台所の外にアルミホイルも貼る。
ガサガサする音と反射を嫌うらしいが、こんなもん効くのか?と半信半疑。

とにかくヒナ、あんたが落ち着いてくれたら良いんだよ。
外の猫は座ってるだけだもの・・・。
箱入りなんだから絶対外出たら帰ってこれないよ。車通りも多いんだよ。
よーく分かったかねキミ。




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